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2022.01.25

片頭痛について少~し深掘りしてみました。

片頭痛

みなさん、こんにちは。
今回は頭痛と片頭痛について少し深掘りしてみました。
頭痛に困っている方、日記つけてますか?

日本人の4人に1人は頭痛に悩んでいるといいます。

片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛を3大慢性頭痛といいますが、中でも片頭痛は近年、その発生メカニズムや治療法の研究が進み、医薬品も登場してきました。
今回は頭痛はなぜ起きるのか、個人としてどう対処すればいいのかなど、少し深掘りしていこうと思います。

片頭痛の患者は1000万人!?

疫学調査によると、片頭痛の患者さんは15歳以上で全国に840万人、15歳未満を含めると約1000万人います。緊張型頭痛は2400万人とさらに多く、群発頭痛は100万人ぐらいです。合計すると国民4人に1人の割合で何かしらの頭痛を有している、ということになります。

片頭痛は女性に多いのが特徴ですが、緊張型頭痛の男女比はほぼ同じです。群発頭痛は男性が圧倒的に多いとされてきましたが、最近では女性もかなり多いことが分かってきています。

日本では頭痛の患者さんは「頭痛持ち」と呼ばれ、仮病だとか精神的な問題だとか考えられる傾向にあります。頭痛はありふれてこそいますが、れっきとした病気です。だからその原因やメカニズムが研究され、治療法も進歩してきました。

片頭痛と緊張型頭痛は全く別のメカニズム

頭痛はその種類によってメカニズムも治療法も全く異なります。頭痛の症状の違いを発症の仕方と経過で把握しましょう。

出典:「片頭痛」からの卒業(講談社現代新書)

片頭痛は頭の片側がズキズキと脈打つように痛みで、吐き気や嘔吐を伴います。光や音に過敏に反応し、痛みは辛いですが、おさまるとケロッとするほど無くなるのが特徴です。頭の中の血管が拡張し、その周囲に炎症が広がることが痛みの原因です。

緊張型頭痛は頭重感や圧迫感、締め付け感があり、肩や首のコリを併発するのが特徴です。症状は継続的で長時間のデスクワークや、人間関係などの精神的ストレス血管が収縮して血行不良となり、筋肉に疲労物質や疼痛物質がたまることで起きるとされます。

このように血管が拡張することで起こる片頭痛と、収縮することで起こる緊張型頭痛では疼痛発生のメカニズムが真逆です。その違いはとても重要で、片頭痛はマッサージをしたりすると血行が良くなり痛みがひどくなりますが、緊張型頭痛では逆に軽運動やマッサージなどで血行がよくなると症状が緩和します。

片頭痛と緊張型頭痛は、初発部位が後頚部であることが共通しているので、どちらの型の頭痛かを間違えないよう注意が必要です。

群発頭痛は年に1~2回の頻度で、1~2カ月の間頭痛が連続的に発生します。毎日1~2時間、片方の目の奥がえぐられるように強く痛み、痛むほうの目が充血したり涙が出たりします。

頭痛は検査データで診断するのは困難で、患者さん自身が自分の症状を把握・整理して理解しそれを日記などに記録しておくことが重要になります。

片頭痛にセロトニンが関係!?

実は片頭痛、遺伝も関係しているんです。

脳卒中の家系とか糖尿病の家系があるように、片頭痛も、環境変化や心身リズムの変化、ホルモン異常などに対して脳が敏感に反応する体質の家系なのです。遺伝子にそうした誘発因子が加わって発症する多因子遺伝です。もちろん遺伝子を持っていても発症しない人もいます。

発症のメカニズムですが、まず誘発因子の情報が脳の視床という部分に伝えられ、そのすぐ下にある視床下部が反応し、セロトニンという脳内物質の量を減少させます。
セロトニンは身体のリズムをコントロールする機能を持っています。セロトニンが減少すると脳神経の1つ、三叉神経がコントロールから外れて興奮し、CGRPという血管拡張物質を放出します。これにより血管が拡張すると、炎症を起こす物質が血管から周辺の組織に染み出し痛みを引き起こします。これが片頭痛のメカニズムです。

仕事疲れで、週末に寝すぎたりリラックスしすぎると片頭痛が起きるという方、いると思いますが、これは脳がセロトニンを出す必要がなくなったと判断し、量を減らすことで起きます。なので単にリラックスするだけでなく、活動的にリフレッシュするほうが片頭痛の予防には効果的です。

緊張型頭痛では首後部の血行改善を!

緊張型頭痛は一般的に「肩こり頭痛」と呼ばれています。
長時間の不良姿勢やストレスなどが原因で首を支える筋肉が硬くなります。首の神経から脳に伝えられる不快な信号が脳にインプットされ、慢性的な緊張型頭痛を起こすと考えられています。

筋肉が硬くなると血管が圧迫され血流が悪くなるので、自分でマッサージするなどして筋肉をほぐすのが効果的です。マッサージの時に用いると効果的なツボを過去記事でご紹介していますので、ぜひご参ください。

群発頭痛は脳に入っていく太い血管(頸動脈)が拡張することが原因で起きます。
場所はちょうどの目の奥あたりで、この血管拡張が周囲の疼痛を伝える神経や交感神経を圧迫したり、炎症物質が血管から染み出して痛みを生じます。なぜ群発が起こるかはまだよく分かっていません。

治療法については、トリプタン系薬剤や副腎皮質ホルモンで群発頭痛の発作を予防できることが分かっています。

頭痛でも二次性頭痛には要注意

頭痛には脳には異常のない一次性頭痛と、脳に異常があって起こる二次性頭痛があり、上記の片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛は一次性頭痛に分類されます。

脳内に異常のある二次性頭痛で見逃してはいけない病態の一つとしてクモ膜下出血が挙げられます。脳動脈瘤が破裂して起こり、突然の激しい頭痛(雷鳴頭痛)が起こります。患者さんが「体験したことのない痛みだ」とか「こんなひどい頭痛は初めてだ」と訴えたら、まず疑わなくてはいけません。

脳腫瘍や慢性硬膜下血腫などが原因の頭痛は、1~2週間かけて緩徐に痛みが増すケースが多いです。腫瘍や血腫が徐々に大きくなり、脳圧が高まって次第に周囲を圧迫するからです。手足のまひや歩行障害、呂律が回らないなどの症状が先に出るのが特徴です。頭痛以外にどんな症状があるのか把握するのが一次性頭痛と見分ける際のポイントになります。

慢性硬膜下血腫は頭部打撲によって硬膜下で出血が持続し、血腫が大きくなり、頭痛が起きます。高齢者に多く、暫く日が経ってから発症したり、症状に気が付かないことも多いので注意が必要です。

このほか子どもに多い副鼻腔炎(蓄膿症)でも頭痛が起きることがあります。

日記を書いて症状把握と情報共有を

頭痛について、いつ(午前・午後、朝・夜)にどんな頭痛がどんな強さで起きたかなどを簡単にメモと一緒に毎日記録しておきます。記録することで自身の頭痛の特徴を把握して、頭痛回避の手段が明確になったり、医師やセラピストと情報共有が出来、起こり方と経過の違いが見えてきて頭痛の種類の特定や治療法の決定に役立ちます。頭痛はいくら検査しても本人以外には分かりません。頭痛の特徴を日記に記録し読むことで、初めて患者さんと医師・セラピストが情報共有できるのです。

頚部筋のストレッチで予防を

片頭痛は最初の痛みが首の後ろに現れるのが特徴です。慢性化した痛みをインプットしている脳の回路から痛み信号が出ると、神経を経由して首の後ろに伝わり痛みを放散します。
片頭痛が起きていない時にストレッチなどで頚部筋を緩め、神経を圧迫や伸張刺激から解放する事で症状が緩和します。これに関しても過去の記事をご参照ください。

身心リズムの安定こそ頭痛治療の基本

片頭痛治療と聞くと、薬に頼りたくなる気持ちはわかります。そのつらい症状、早く良くしたいですもんね。ただ、片頭痛は心身のリズムの変化で起きていることを再認識し、ヨガや太極拳、散歩などを取り入れるなどして心身を安定させる努力もしましょう。片頭痛で重要な役割を果たしている身心リズムをコントロールするのはセロトニンであることが分かっています。先ずは心身リズムを安定させ、セロトニンの分泌を促すという意識でセルフケアに取り組んでみましょう。

本日も最後までお読み頂きありがとうございました(*´▽`*)

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鍼灸Tadauchi
鍼灸師 理学療法士  唯内喜史

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