こんにちは。鍼灸Tadauchi院長の唯内です。
ジトジトした梅雨のこの時期、いかがお過ごしでしょうか。
重だるいし、気分も落ち気味な日もあって、この時期の不調スッキリしたいですー!
この時期の不調改善には、「夏至の養生」がおすすめです。
夏至の時期の養生を実践して、心身ともにスッキリしましょう!
夏至【6月21日頃】
夏至は北半球では1年で昼が最も長く、夜が最も短くなります。
現代の暦では6月21日頃にあたり、2024年も6月21日に夏至を迎えました。
日本では梅雨の最中で、日照時間がそれほど長くないため、昼が最も長いとは感じにくいかもしれません。
夏至から11日目を半夏生(はんげしょう)といい、この日までに田植えを終えるべきとされています。6月のあやめが花咲くころに夏越しの祓があり、神社で茅草で作った茅の輪くぐりを行います。
一年のうちで最も昼が長く、夜が短い夏至。東洋医学的に言うと、陽の気「陽気」がピークに達する季節です。前半は梅雨が続きますが、日に日に暑さが増していきます。
夏は心が活発になる季節で、心は暑さ(熱さ)に弱いため負担がかかりやすい頃でもあります。適度な運動や半身浴で汗をかき、熱と湿気を取る食事で清暑を心がけましょう。
夏至に起こりやすい不調
夏場は血液の循環が非常に盛んになり心の負担が多くなることで、心の亢進が生じやすく、蒸し暑いと健常人でも寝苦しくなりやすいです。これは、血熱となり心の正常な活動ができにくいことが原因の一つです。
この時期の不調として、不眠、多夢、心悸などがあり、これらには『瀉』が重要です。
瀉とは、「体にとって余分なもの、過剰なものを取り除く」ことです。
メンタルの不調がある方は夏至の過ごし方が非常に重要になります。暑さでイライラしやすい夏に精神的な安定を保つことは、「心(心臓)」の養生にはとても重要です。早起きして、涼しい早朝のうちに行動するのも良い対策の一つです。
この時期は梅雨が続くうえに暑さも増していくので、体に熱と湿気が溜まりやすくなり、アトピー性皮膚炎や湿疹、肌荒れなどの肌トラブルに悩む人が多い時期でもあります。また、湿邪に胃腸がやられて下痢や軟便などが起こりやすく、気分も塞ぎがちになりやすいです。熱を降ろす、発散することに合わせて、湿度対策も欠かせません。暑さ対策で熱を下げる心がけや、お部屋の湿度コントロール、体の余分な水分を発散させる工夫が大切になります。
心がけること 【心臓とこころの養生】
夏【夏至の頃】の養生のポイントは
「デトックス」「気の充実」「熱を冷ます」「胃腸を労わる」「湿邪対策」です。
デトックス
夏至は最も陽気の盛んな頃です。月でいうなら満月で、これからデトックスしていく時です。体を動かし、気血を巡らせ、適度に汗をかくことが大切です。
また、断舎離で不要なものを捨て、よいものが入るよう心身もお部屋も整理整頓、デトックスを心がけましょう。
気の充実
夏は気の充実が大切。旅行やショッピング、お祭りなど、自分なりの気の充実法を見つけてみましょう。
また、五感を使って暮らしを楽しむことも気の充実に最適です。
散歩で自然の声に耳を傾ける、アロマやお香を焚く、季節の手仕事(らっきょう漬け)などを日々の暮らしに取り入れてみるのもいいでしょう。
熱を冷ます
気温の上昇とともに熱が体にこもり、体の上部に滞ると興奮状態となり、様々な症状をきたします。
熱が昇りイライラする、精神活動を司る“心(しん)”に熱が生じることで不眠となり、悶々として夜通し眠れないなど。
こんな時は、体の熱がうまく発散できていないのかもしれません。
東洋医学では、「汗・尿・呼気」で熱を発散できるとされています。
暮らしの中で発汗、排尿を促す工夫や呼吸を意識しましょう。
暮らしの工夫としては
・エアコンと上手に付き合う
・発汗作用や利尿作用のある食材を取る
・軽い運動や入浴で発汗
・リラックスして深呼吸
暑さによる過度な発汗は、「気」や「陰(体内の水分や潤い)」を消耗しボーっとすることも。上記にも載せた気の充実を心がけ、過度な発汗を控えましょう。
胃腸を労わる
夏至の頃は湿度も高く、また日によっては真夏のような暑さになり、冷たいものばかり食べたり、水分をがぶ飲みしがちです。そのような事が続くと、「脾胃(胃腸)」の働きが低下してしまい、気血水の生成不足や気血水の停滞による不調が起こりやすいです。
水分は一度に大量に取るのではなく、常温程度の水分を少しずつこまめに摂りましょう。また、薬味と一緒に食べて体を温めるなど、体を温め発散させる食材や、胃腸に負担の少ない食材を選びましょう。
湿邪対策
湿度の高い夏至の頃は、お部屋の湿度コントロールに合わせて、体の水分代謝を促しましょう。上の項目と重複しますが、軽い運動や入浴で汗をかいたり、発汗作用や利尿作用のある食材を食べましょう。胃腸を労わることも同様に大切です。
夏至の頃に摂るべき食材
ポイントは「デトックス」「気の充実」「熱を冷ます」「胃腸を労わる」「湿邪対策」食材です。
あずき:平性なので暑がりでも寒がりでも誰でも常食できる。心穏やかにストレスが改善される。特に夏食べれば、心臓にもよい。体の中の水分代謝をよくするので、尿の出方や腫物を治し、むくみや下痢にも効果的。散血作用もあるので、充血を治し解毒にもなり、目や痔の充血やダイエットにもよい。
セロリ:気持ちを落ち着け、肌をきれいにする。セロリの香りは気を巡らせる作用があるので気分の落ち込みに効果的。こもった熱を排出するので、目の充血、肌の赤み、吹き出物にもおすすめ。
緑豆:解毒の良薬。熱を取る性質があるので、口の渇きなどの症状に効果的。体内の水分を排出して巡りを整える作用もあり、肌荒れ解消にも役立つ。
スイカ:熱からくるのぼせを改善。体の余分な熱を冷ます力が強く、のぼせやイライラに有効。また潤いも与えるので喉の渇きや咳の改善、美肌効果も期待できる。
梅:湿邪で弱った胃腸を回復する。梅の酸味は潤い不足による喉の渇きや食欲不振改善に効果的。また弱った胃腸の働きを整えて、下痢を改善する作用もある。
その他のおすすめ食材
春菊、セリ、緑茶、トマト、蓮根、小豆、ゆり根など
きゅうり、トマト、スイカなどの夏野菜は食べ過ぎると体を冷やすので、注意が必要です。ほどほどに。
夏至の時期に使いたい!オススメ養生ツボ
□胃腸の調子を整える、気を補うツボ
足三里(あしさんり) 足の膝のお皿の下にある外側のくぼみから指四本さがったところ
□胃腸の調子を整える、疲労に効くツボ
中脘(ちゅうかん) みぞおちとおへその中間にある。
□精神安定に効果的、軽い熱中症などにも使うツボ
内関(ないかん) 手首に出来る横のシワの中央から肘に向かって指三本分にあるツボ
まとめ
夏至のころの養生法、いかがでしたでしょうか。
繰り返しになりますが、夏【夏至の頃】の養生のポイントは
「デトックス」「気の充実」「熱を冷ます」「胃腸を労わる」「湿邪対策」です。
すべてを実践するのは難しいですが、できることから始めてみて下さい。
そうですね!やれることからやってみます。まずは季節感を楽しみながら、この時期を少しでも軽やかに過ごしたいですね!
夏の過ごし方は冬の体調に大きく影響します。夏の養生は冬の自分への投資だと思って、夏の養生を心掛けてみてくださいね。
鍼灸Tadauchi
院長:唯内喜史 ゆめさん:唯内ゆめみ