皆さん、こんにちは!鍼灸Tadauchi の院長です。
首のコリや痛みなどの不快な症状は、多くの人にとって身近な問題です。その中で、頚椎症は特に中年以降の人々に好発し、日常生活に支障をきたすことがあります。今回は頚椎症について詳しく説明します。
頚椎症とは?
頚椎症は、首の骨(頚椎)に何かしらの変化が生じ、
神経圧迫や筋肉の痛みを引き起こす疾患です。
この病態は、頚椎の椎間関節や椎間板に変化が生じ、周辺の組織に圧力をかけることから、
首の痛みや肩こり、腕や手の痺れなどの症状が生じることがあります。
頚椎症は通常、加齢とともに進行し、首の動きや日常生活に影響を与えます。
下の図は頚椎症のX線所見を示したものです。
頚部脊椎症所見
1.椎体縁骨硬化
2.椎間間隙狭窄
3.前方骨棘
4.前縦靭帯骨化
5.後方骨棘
6.椎間関節骨棘
7.椎間孔狭窄
好発年齢と性差
頚椎症は一般的に中年以降に多く見られますが、若い世代でも発症することがあります。
加齢による変化(退行変性)が主な原因であるため、年齢が進むほどリスクが高まります。
性差については特に明確な差はなく、男女どちらにも起こり得る可能性があります。
好発部位
・C5-6、C6-7、C4-5の順に起こりやすい
・全頚椎レベルで起こり得る
症状
頚椎症の症状は個人によって異なりますが、一般的な症状には以下のようなものがあります。
– 頚部痛や頭痛
– 肩こりや腕のしびれ
– 手足の筋力低下やバランスの問題
– 脊髄や神経圧迫による手足のしびれや無力感
これらの症状は、日常生活に支障をきたし、仕事や趣味にも悪影響を与えることがあります。症状が重症化した場合、手のしびれや筋力低下は慢性的な問題となる可能性もあります。
治療法
頚椎症の治療は、症状の重症度により異なりますが、一般的な治療法には以下のものがあげられます。
薬物療法:鎮痛薬や抗炎症薬は、医師の指導のもとで処方され、痛みや痺れなどの症状の管理に効果があります。
神経ブロック注射:一部の患者に対して、神経ブロック注射が痛みの軽減に役立つことがあります。
手術:重度の症例や上記の治療法が効果的でない場合、手術が検討されることがあります。手術は神経の圧迫を解消することが主な目的となります。
リハビリテーション:頚椎症のリハビリテーションは主に以下の目的で行われ、生活の質を向上させます。
– 筋力回復: 首の周囲の筋肉を強化し、姿勢を改善する
– 関節可動域の改善: 首の動きを向上させる
– 痛みの管理: 温熱、冷却、電気刺激などの物理療法を通じて痛みを和らげる
– 適切な姿勢の維持: 頭と首を正しい位置(アライメント)に保ち、首への過度な負担を軽減する。
予防
頚椎症を予防するために、以下のポイントに留意することが大切です:
– 正しい姿勢の維持: 先述しましたが、長時間の不良な姿勢を回避し頭と首を適切な位置に保つことで、首への過度なストレスを軽減できます。
– 適度な運動: 首の筋力を維持し、柔軟性を維持するために適度な運動を行いましょう。
– 過度なストレスや負担の回避: 重い荷物の持ち運びを避け、ストレスを軽減しましょう。
– 適切な枕と寝具の使用: 快適な睡眠環境を整え、首への負担を軽減しましょう。
– 禁煙: 喫煙は頚椎症のリスクを増加させることがあるため、禁煙を検討しましょう。
– 生活習慣の見直し: バランスのとれた食事、精神的なストレスの管理など、健康的な生活習慣を実践しましょう。
頚椎症への痛みの管理である温熱、電気刺激として、鍼灸は非常に有効です。
また、ストレスの軽減や筋肉の柔軟性の維持、生活習慣の見直しなどにも鍼灸施術や東洋医学的な養生法が役立ちます。
まとめ
頚椎症は首の不快や痛みを引き起こす一般的な問題で、中年以降の方の多くが経験し、暮らしや仕事、趣味などに悪影響を与えます。
また、頚部の痛みだけでなく、時には全身にかけて、更にメンタルの不調にも繋がりかねません。
ただし、早期に適切な治療、リハビリテーション、日頃のメンテナンスを実践することにより、症状を軽減し生活の質を向上させることができます。
症状に応じて、専門家し、適に相談し適切な対策を講じることを心がけましょう。
頚椎症に対する理解と正しいケアが、不快な症状の軽減と、健康維持や生き生きとした暮らしに役立ちます。痛くなる前の、日常生活での予防もとても重要です。
自分の首の健康を守るために、積極的なケアや予防対策を行いましょう。
最後までご覧いただきありがとうございました。
肩こり・首こり 春日井の鍼灸院
鍼灸Tadauchi 院長 唯内喜史