便は健康のバロメーター。
朝のお通じがスムースだと、その日一日を清々しく過ごせますよね。
便通は本来、毎日あるのが健康的な状態です。3日以上便通がなかったり、便が硬く少量で、残便感があったりする状態を便秘といいます。女性に多いのが特徴で、肌荒れや肩こりなど、全身に影響が出ることも。
そんな便秘を東洋医学的に考え、食事や効果的とされるツボなどの養生の話をしたいと思います。
はじめに
東洋医学の考えでは便秘の原因を、ストレスや過剰な飲食などにより熱が体にこもる事で起こる『実秘』と、加齢や過労、病気や産後などが原因で体に気や潤いが不足する事で起こる『虚秘』の2つに大別し、そしてさらに『実秘』は『熱秘』と『気秘』、『虚秘』は『虚秘』と『冷秘』とに分けて考えます。
それぞれについて、その特徴と対策をみていきましょう。
熱がこもることで便秘になる『熱秘』タイプ
▷尿の色が濃い
▷口が渇く
▷お腹が張って痛い
▷汗をたくさんかく
▷口臭が気になる
以上の項目が多く当てはまる方は、体に熱がこもることで便秘になりやすい『熱秘』タイプ。辛いものや脂っこいもの食べ過ぎなどが原因になります。先ずはそのような食生活をしていないか見直し、そうであれば改善し、体を冷やし潤いを保つ食材、きゅうり、レタス、バナナなどを食べるように心がけましょう。
ツボとしては、合谷、内庭を少し強めに押すのがオススメです。
ストレスやイライラが原因で便秘になりやすい『気秘』タイプ
▷イライラしやすい
▷膨満感がある
▷ゲップやオナラが多い
▷下痢と軟便を繰り返す
以上の項目が多く当てはまる方は、ストレスやイライラが原因で便秘になりやすい『気秘』 タイプ。 日頃からストレス発散を心がけ、深呼吸や散歩などの軽運動で体に気とエネルギーの循環を作りましょう。柑橘類や香味野菜など、気を巡らす食材がオススメです。
ツボは太衝、内関を強めに押しましょう!
血(けつ)や潤いが不足することで便秘になる 『虚秘』タイプ
▷肌や髪に艶がない
▷よく動悸やめまいがする
▷抜け毛や白髪が気になる
▷コロコロと兎糞状の便
▷舌の色が薄く淡い
以上の項目が多く当てはまる方は、血や潤いが不足することで便秘になる『虚秘』タイプ。不足している血を補い、体の内側から潤す作用のあるハチミツや、人参、白菜、黒ゴマなどの食材がオススメです。
ツボは三陰交や太渓を気持ちいい強さで押しましょう。
エネルギー不足で便秘になる『冷秘』タイプ
▷疲れやすい
▷便意はあるが出にくい
▷汗をかきやすい
▷息切れしやすい
▷冷えやすい
以上の項目が多く当てはまる方は、エネルギー不足で便秘になる『冷秘』タイプ。 身体を温める温煦作用の低下により、身体が冷えることで便秘になるため、胃腸や足腰を冷やさないよう防寒を心がけましょう。食事では体を温める作用のあるネギ、生姜、ニラ、クルミなどがオススメです。
ツボは腎兪、関元の周囲を気持ちいい程度に温めるといいでしょう。
いかがでしたでしょうか。
今回は、便秘を東洋医学的に考え、その対策について食材やツボをご紹介しました。
日頃から自身の体質に気を配り養生することで、便秘症状がひどくなるのを防いでくれるかもしれません。
ただ、便秘が酷い方、ずっと治らない方は、腸そのものの問題であったり、何か別の原因が隠れている可能性もあるため、医療機関への受診をお勧めします。
診察上、特別な問題がないとわかった上で養生するのが安心ですね。
今回も最後までお読みいただき、ありがとうございます(*´▽`*)