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2021.09.28

眼の疲れと頚・後頭部痛の関係  ーその眼の症状、根本原因はクビにあるかも!?ー

眼の疲れ

こんにちは。
前回はスマホ操作時の姿勢、特に首の角度と頭の位置で首にかかる負担が激増する、というお話をさせていただきました。

普段の生活でスマホを使用するのももそうですが、仕事でパソコンとにらめっこ、というように長時間のデスクワーク、特にパソコン作業の多い方クライアントの方から、眼が疲れているというお悩みをよく耳にします。
眼の疲れ
目の疲れは序の口で、「頭痛がする」、「後頚部が凝る」、更にひどいと「痛いのが頭なのか眼なのか、頚なのかわからない」という方や、「眼、頭、頚、全部痛い」という方もみえます。

パソコン作業をされる方の多くは、この眼、頭、頚の疲れや痛みのような症状を一度は経験されたことがあるのではないでしょうか。

それでも仕事なのでパソコン作業をやめるわけにはいきません。
眼の疲れを感じたら目頭に手をやったり、頭が痛くなったらこめかみを押さえたり、頚のコリを感じたら頚を揉んだりと、対症的にケアしながら作業を続けていらっしゃると思います。

その場しのぎ的なケアで症状が寛解すれば良いのですが、全然症状が和らがないという方、
もしかしたら疲れ目の根本原因が頚だったり、頚のコリ感の根本原因が眼だったりする可能性があります。

今回は、
頸部および三叉神経の感覚求心性神経の収束
論文タイトル
というタイトルの論文を簡単にご紹介します。

結論から言っちゃいますと、眼の周りの感覚の神経と、後頚部の感覚の神経は、中枢で同じ経路を通るので混線しやすいですよ、ということです。
つまり、頚の感覚を眼の周りの感覚と錯覚したり、眼の周りの感覚を頚の感覚と錯覚したりする可能性があるということです。
Question
何言ってるんだ?って感じですよね。

出来るだけわかりやすいように、順を追って説明していきますね。

三叉神経と大後頭神経

三叉神経

先ず、眼の疲れや痛みなど、眼の周りから側頭部周辺の感覚を司る神経は三叉神経(第1枝:眼神経、第2枝:上顎神経)です。この領域の感覚情報は第5脳神経である三叉神経を通って中枢へと伝わります。
三叉神経
*図はKOMPASホームページより拝借

大後頭神経

頚から後頭部にかけての領域の感覚を司るのは大後頭神経です。
この辺りの感覚情報は大後頭神経を通って中枢へと伝えられます。
大後頭神経
*図は社会福祉法人恩賜財団済生会ホームページより拝借

二つの神経は一緒になって、三叉神経頚部複合体という侵害受容情報(痛み感覚の情報)を受け取る核を形成します。
これらの核は解剖学的にこそ別々に存在しますが、機能的には繋がりがあるとされていますす。
収束メカニズム
つまり三叉神経および後頚部、後頭部領域から侵害受容情報(痛み感覚の情報)を受け取ると、頚髄に伸びる三叉神経頚部複合体のニューロンが活性化する、ということです。

眼の症状?頚の症状?

三叉神経頚部複合体のニューロンが一遍に活性化すると、臨床的にはどういうことが起きるのかというと、

三叉神経の活性化が三叉神経領域と後頚部領域の症状を、
頚部の神経の活性化は頚部領域と三叉神経領域に症状を引き起こす可能性がある、

ということなんです。

なので、眼が辛いなぁ、と目頭だけをマッサージしても、根本原因が頚からの侵害受容情報だったら、眼が原因ではないので症状は治まらないということです。

眼の疲れや頚のコリの対処法

では、疲れ眼や頚肩コリの症状に対してどのように対処したらいいのでしょうか。
答えは、眼から頭、頚までの全部をケアする、です。

もっと言うなら背中、腰、腿の裏、ふくらはぎ、足の裏、までケアできると最高です。

眼や頭、頚のケアは理解できるけど、なんで足の裏?
と思われる方もみえると思います。

実は上記の眼から頭、頚、背中、腰、腿の裏、ふくらはぎ、足の裏、というラインは経絡的にも結合組織的にも強い繋がりがあり、眼や頚から遠く離れた足の裏をほぐすだけでも、眼や頚の症状が軽くなることがあります。
superficial back line
足太陽膀胱経

ですので、先ずは両手の指(人さし指、中指、薬指、小指)の指腹で、眉毛からおでこ、頭頂部まで優しくマッサージをして、後頚部は両手の親指の指腹、同時に後頭部は他の指の指腹でマッサージすると少し楽になると思います。

更に余裕があれば腿裏やふくらはぎ、足の裏のストレッチやマッサージをしてあげると効果的です。

詳しいやり方は私のTwitterにて動画で解説してますので、よろしければご参照ください(^-^)

まとめ

今回は、仕事でパソコン作業が多い方によくあるお悩み、眼の症状と頚の症状について、その原因と対処法について軽くお話ししました。

もちろん症状が全然よくならない場合や、どんどん悪くなるような場合は医療機関への受診をお勧めします。

ただ、毎日のお仕事で眼や頚に疲れがたまると症状が出やすくなるのは間違いないので、毎日のちょっとしたケアで、症状の発症を予防することができます。

今回の情報が、少しでも皆様のお役に立てれば幸いです(^_-)-☆

関節痛・腰痛・肩こり、ご相談ください
鍼灸Tadauchi
鍼灸師・理学療法士   唯内 喜史

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