こんにちは。鍼灸Tadauchiの鍼灸師・理学療法士の唯内です。
突然ですが、みなさんの毎日の生活のなかで、音楽はどのような存在でしょうか。
「音楽がない生活なんて考えられない」という人もいれば、「音楽なんてほとんど聴かないよ」って人、やる気を挙げるためにアップテンポな曲を聴いたり、心を落ち着かせるためにリラックスできる曲を聴いたりと、音楽を気持ちの切り替えなどに使う人、BGM感覚で何となく音楽を流してるという人、日常生活における音楽の役割は人それぞれかと思います。
今回はそんな音楽について、音楽が人の体にどんな影響を及ぼすのか、という論文をご紹介したいと思います。
題名は、
『音楽のジャンルが心・血管へ与える影響について』 です。
どんな内容かといいますと、まず60人の被験者を無作為に3グループに割り振ります。
それぞれにモーツァルト、シュトラウス Jr、ABBAのさまざまな曲を25分間聴いてもらうというセッションを設けます。
曲を聴くセッションの前後に被験者達の血清コルチゾール濃度、心拍数、血圧を測定しています。
同様に対照グループとして、「音楽を聴かずに静かに休む」という別の60人のグループを集め、このグループでも静かに休むというセッションの前後に血清コルチゾール濃度、心拍数、血圧の測定を測定しました。
色々なジャンルの音楽を聴いた3グループと、何も聴かずに静かに休んでいたグループの4グループ間でバイタルと血清コルチゾール濃度(ストレス度合いを推測できる)の変化を比較したんですね。
その結果ですが、
モーツァルトとシュトラウスの音楽を聴いたグループの被験者達の血圧は著しく低下し、一方ABBA の音楽を聴いたグループには特筆する変化はなかったそうです。
また、血圧だけでなく心拍数に関しても同様の結果が得られ、対照群(音楽を聴かずに静かに休んだだけのグループ)にはそのような変化はなく、血清コルチゾールは音楽を聴いた被験者、静かに休んだだけの被験者のすべてで減少がみられたとのことです。
以上の観察された効果は、被験者が個人的に好む音楽のジャンルとは相関していなかったとのことで、モーツァルトやシュトラウスの音楽が好きだろうが嫌いだろうが、その効果は認められたということです。
以上の事から、モーツァルトとシュトラウスの音楽は被験者の血圧と心拍数を下げ、ABBA の音楽はそうではなかったということが判明しました。
その中でもモーツァルトの交響曲第40番ト短調が最も強い影響を与えたとのことでした。
各グループがどんな曲を聴いたか等、詳細は参考に記載しておきます。
以前からクラシック、特にモーツァルトはリラックス効果があり健康にも好影響だとは聞いてましたが、こうやって論文で示されると一気に説得力が上がりますね。
モーツァルトとシュトラウスとの比較に、ABBAを選んだ理由が、個人的にはちょっと気になります(ABBAをバカにしているわけではなく、純粋に選択理由が気になるだけです。エンヤでもかなりいい結果が出そう。)。(´っ・ω・)っ
どうでしたか。また面白そうな論文があったら簡単に要約してご紹介したいと思います。
今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
参考
Hans-Joachim Trappe, Gabriele Voit, : The cardiovascular effect of musical genres: a randomized controlled study on the effect of compositions by WA Mozart, J. Strauss, and ABBA;G Voit-Deutsches Ärzteblatt International, 2016 – ncbi.nlm.nih.gov
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鍼灸師・理学療法士 唯内 喜史