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2025.03.30

【鍼灸師が解説】春の不調の原因と対策|東洋医学で「肝」をケアするセルフケア

春の風景

春は仕事もプライベートも忙しくって、最近、なんだかイライラしちゃったり、疲れやすくて体がだるいような。目がかすんだり、肩こりも気になります!不調を減らして、花や緑のきれいな春を満喫したいです!

確かにこの季節は環境の変化や気候の変化が大きくて大変ですよね。暖かくなり過ごしやすい春は、新しいことを始めるのに最適な季節ですが、心身の不調を感じやすい時期でもあります。

春は不調の出やすい季節なんですね。東洋医学的な春の不調対策、知りたいです!

では今から、春と「肝」をメインにお話ししていきますね。
東洋医学では、春は「肝(かん)」の働きが活発になる季節と考えられています。この「肝」のバランスが崩れると、心身に様々な不調が現れやすくなるのです。
この記事では、東洋医学における「肝」の働きと、春に起こりやすい不調、そしてその対策となるセルフケアについて、鍼灸師の視点から詳しく解説します。

1. 春に不調を感じていませんか?

春は、冬の間に縮こまっていた「気(き)」というエネルギーが活発に動き出す季節です。しかし、この気の変化に体がうまく対応できないと、心身のバランスが崩れ、様々な不調が現れます。

春に起こりやすい不調の例

➢イライラしやすくなる、怒りっぽくなる
➢憂鬱な気分になる、気分の浮き沈みが激しい
➢疲れやすい、体がだるい
➢頭痛、肩こり、めまい
➢目の疲れ、かすみ目、ドライアイ
➢便秘、下痢、お腹の張り
➢肌荒れ、ニキビ
➢花粉症の悪化
➢不眠、寝つきが悪い

これらの症状に心当たりのある方は、「肝」のバランスが乱れているかもしれません。

2. 東洋医学における「肝」とは?

東洋医学では、人体は「気(き)」「血(けつ)」「水(すい)」という3つの要素で構成されていると考えます。そして、これらの要素のバランスを調整しているのが、「肝(かん)」「心(しん)」「脾(ひ)」「肺(はい)」「腎(じん)」という五臓です。

「肝」は、全身の「気」の巡りをスムーズにする役割を担っています。また、「血(けつ)」を貯蔵し、必要な場所に供給する機能や、自律神経のバランスを整える働きも持っています。

肝の主な働き

気の巡り(気機)を調整する: ストレスや環境の変化によって気の巡りが滞ると、イライラ、不安感、頭痛、肩こりなどの症状が現れます。

血(けつ)を貯蔵し、供給する: 夜間に血を貯蔵し、目、筋肉、皮膚などに栄養を届けます。肝の機能が低下すると、目の疲れ、筋肉のこわばり、貧血などの症状が現れます。

自律神経のバランスを整える: ストレスの影響を受けやすい臓腑であり、春は特にバランスが乱れやすい時期です。気分の浮き沈み、不眠などの症状が現れます。

感情のコントロール: 肝は感情のコントロールにも深く関わっており、ストレスや抑圧を感じやすい春は、肝のバランスを崩しやすく、イライラや気分の落ち込みに繋がります。

解毒作用: 肝臓は体内の毒素を解毒する役割も担っています。

このように、「肝」は心身の健康を維持するために非常に重要な役割を担っています。

肝の役割

3. 春に起こりやすい不調と「肝」の関係

春は、「肝」の働きが活発になる一方で、そのバランスが乱れやすい季節です。「肝」が影響を及ぼすことで、以下のような不調が起こりやすくなります。

  • 気の巡りが滞ることによる不調
    • イライラ、怒りっぽい
    • ため息が多い
    • 胸や喉のつかえ(梅核気)
    • 消化不良、胃の不快感

      対策:深呼吸、ストレッチ、軽い運動で気の巡りを促しましょう。

  • 血(けつ)の巡りが滞ることによる不調
    • 頭痛、肩こりの悪化
    • 月経不順、生理痛の悪化
    • 手足の冷え、むくみ

      対策:体を温める食事、軽い運動、入浴で血行を促進しましょう。

  • 目のトラブル
    • 目の疲れ、かすみ目
    • 視界がぼやける
    • まぶたの痙攣(眼瞼痙攣)

      対策:目を休める、蒸しタオルで温める、目の周りのツボ押しをしましょう。

  • 筋肉の不調
    • こむら返り
    • 筋肉のこわばり、動かしにくさ
    • 体の倦怠感
    • 対策:ストレッチ、軽い運動、バランスの取れた食事で筋肉の柔軟性を保ちましょう。


4. 東洋医学的セルフケアで春を快適に!

春の不調を和らげるためには、「肝」の働きを整えるセルフケアが有効です。

  • 食事で「肝」をサポート:
     酸味のある食材(レモン、梅干し、お酢)を適度に取り入れましょう。
     緑色の野菜(ほうれん草、小松菜、春菊)で肝の解毒作用を高めましょう。


  • 適度な運動で気の巡りをスムーズに:
     ストレッチやヨガで体をほぐしましょう。
     ウォーキングや太極拳などの軽い運動を取り入れましょう。


  • ツボ刺激でセルフケア:
     太衝(たいしょう):足の甲にあるツボで、肝の気を整え、ストレスを和らげ
    ます。
     合谷(ごうこく):手の甲にあるツボで、自律神経を整える効果があります。


  • リラックスする時間を作る:
     アロマやお灸でリラックスしましょう。
     質の良い睡眠を確保しましょう。

5. まとめ:春の養生を意識して快適に過ごそう!

春は「肝」の働きが活発になる季節ですが、その影響で気の巡りが滞ったり、血の流れが乱れたりすることで、様々な不調が現れやすくなります。特に、ストレスや環境の変化が大きく影響し、イライラや疲労感、肩こり、目の不調などが増えることが特徴です。

しかし、食事、運動、ツボ刺激、リラックス習慣などの東洋医学的セルフケアを取り入れることで、「肝」のバランスを整え、春を快適に過ごすことができます。

まずは日々の生活の中で、
 ➢酸味のある食材を適度に取り入れる
 ➢ストレッチや軽い運動で気の巡りを促す
 ➢ツボ刺激やリラックス習慣を意識する
といった簡単な習慣から始めてみましょう。

春のエネルギーを上手に活用し、心身ともに健やかに過ごせるよう、日々の養生を心がけてみてください。
また、鍼灸治療は春の不調に非常に効果的です。鍼灸治療では、滞った気の巡りをスムーズにし、血流を改善することで、心身のバランスを整え、春の不調を和らげます。

春の養生法についてもっと詳しく知りたい方や、鍼灸治療に興味のある方は、お気軽にご相談ください。

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