みなさん、こんにちは。鍼灸Tadauchiの唯内です。 一年で一番寒い時期と言われる「大寒」。 今回は、そんな大寒の過ごし方について、東洋医学の視点からご紹介します。 カラダの中から温めて、一年で最も寒い時期「大寒」を元気に乗り切るためのヒントをお伝えします。
できることから実践して、家族みんなで元気に冬を乗り越えたい、そんな方にもおすすめです。
大寒とは?
大寒は、二十四節気のひとつで、一年で最も寒い時期とされています。この時期は、陰の気が極まり、徐々に陽の気が生じ始める、まさに冬の深まりを感じる時期です。

厳しい寒さの中、私たちの体は冷えやすく、さまざまな不調が出やすい時期でもあります。特に冷え性の方にとってはつらい時期です。どのように過ごせば不調を予防できるのか、体を温めるツボやお灸の方法などを交えてご紹介します。

大寒に心掛けること
1. 体を温める
生姜湯を飲んだり、お風呂にゆっくりとつかるなど、体を温めることを意識しましょう。特に、足湯や半身浴は、冷えやすい足やお腹を温めるのに効果的です。
また、衣類の選び方にも注意を払いましょう。重ね着で温かさを調整しつつ、通気性と保温性の高い素材を選ぶことで、効率よく体を保温できます。

2. 規則正しい生活
夜更かしを避け、早寝早起きを心がけて質の高い睡眠をとりましょう。睡眠不足は免疫力を低下させ、さまざまな不調の原因となります。さらに、起床後に軽いストレッチを行うことで、体を目覚めさせ、1日を元気にスタートすることができます。

3. バランスの取れた食事
温かいものを中心に、根菜類や海藻類など体を温める食材を積極的に摂りましょう。特に冬野菜は体を温める効果があるものが多いとされています。また、体を温める香辛料(シナモン、ショウガ、黒胡椒など)を取り入れた料理もおすすめです。スープや鍋料理にこれらを加えることで、寒い季節でも体が芯から温まります。
寒い時に生姜湯、チャイ、美味しいですよね~
根菜類や旬の食材を使ったお鍋で、心も体のポッカポカ
4. 軽い運動
この時期は春の訪れのためにエネルギーを温存し、心静かに過ごす「閉蔵」という養生が大切とされています。そのため、汗をかくほど激しい運動を避け、軽い運動を取り入れることがおすすめです。 具体的には、ヨガやストレッチ、または室内での簡単な体操が適しています。これらの運動は血行を促進し、体を温めるのに効果的です。

5. ストレスを溜めない
過度なストレスは、自律神経のバランスを崩し、さまざまな不調の原因となります。リラックスできる時間を作り、趣味や瞑想などでストレスを発散する方法を見つけましょう。アロマセラピーやハーブティーもリラックス効果を高めるアイテムとしておすすめです。

大寒に起こりやすい不調と対処法
大寒の時期に起こりやすい不調としては、以下のようなものが挙げられます:
- 冷え性
- 肩こり
- 頭痛
- 便秘
- 肌荒れ
これらの不調は、冷えや寒さで気や血の流れが滞ることが一因とされています。東洋医学では、全身を巡る経絡(けいらく)上の気血の流れを調整することで、体全体のバランスを整え、自然治癒力を高めると考えられています。
お灸で温活!おすすめのツボ
お灸は、体を温め、経絡の流れを調整するのに効果的な方法です。大寒の時期には、以下のツボを温めるのがおすすめです。
三陰交(さんいんこう) 足の内くるぶしの骨の上、指4本分上のところです。冷え性、生理痛、むくみなどに効果があります。

足三里(あしさんり) 膝蓋骨の外側の縁から指4本分下、脛骨の外側のふくらみの外縁のところです。消化不良、便秘、免疫力低下などに効果があります。

大椎(だいつい)首の後ろ側で、中心にある骨の出っ張りの中で一番出っ張ったところです。肩こり、頭痛、風邪予防などに効果があります。

これらのツボを温めることで血行が促進され、体が温まりやすくなります。お灸をする際は、やり方や注意点などを専門家から聞いて、火傷に充分注意して行いましょう。
大寒の風物詩と日本の知恵
大寒は古くから、自然との調和を意識する時期とされてきました。この時期には味噌や日本酒の仕込みが行われ、1年を通して良い風味が生まれると信じられています。寒い時期だからこそ、手間をかけて丁寧に作ることの大切さを教えてくれます。また、大寒の日に生まれた卵(大寒卵)は、栄養価が高く縁起物とされています。これらの食材を活用して、体を内側から温める料理を作るのも良いですね。
まとめ
大寒は、一年で最も寒い時期ですが、適切な養生をすることで健やかな状態で春を迎えることができます。特に毎年この時期に冷えでお困りの方は、東洋医学の知恵を活かして、この冬を乗り切りましょう。 自然のリズムに寄り添い、体と心を整えることで、健康で豊かな暮らしを実現しましょう。
冬を穏やかにゆっくりと過ごすことで、軽やかで健やかな春へと繋がります。春に芽吹き、ぐんぐん成長できるよう、冬は栄養を蓄え、気を補いましょう。
鍼灸Tadauchi
肩こり/首こり/腰痛